PRODUCTS 製品情報 ウェーブワッシャー・他

ウェーブワッシャー・他 一般用/ベアリング用

製品の特徴

ウェーブワッシャー
  • ドーナツ状の板を波状に曲げ、たわませることで荷重を発生させます。
  • コイルばねと比べて小さいスペースで高荷重を得ることが可能です。
  • 表裏の区別がないので、製品の方向性がありません。
  • 重ねて使うことで荷重とたわみを変えることができます。
並列重ね
並列重ねの図
荷重大
直列重ね
直列重ねの図
たわみ大
一般用
  • ねじの緩み止めを防止することができます。
  • 異音やガタツキを抑えることができます。
ベアリング用
  • ベアリング専用のウェーブワッシャーです。
  • ベアリングに予圧を与えることで、振動や異音を抑えることができます。
主な使用用途
  • 自動車部品
  • 各種モータ部品
  • 家電部品
  • 各種ベアリング予圧
  • 一般産業機械

仕様・実績

  1. 採用実績

    高品質、少量・大量生産への対応により、50年以上のご使用と多くの採用をいただいております。

  2. 高品質・高精度製品

    当社の製品は、厳しい品質が求められるカメラ業界や精密モータ産業等で認められています。
    長年の経験に基づく製造技術と厳しい品質管理によって生み出された高品質・高精度の製品をご提供します。

  3. 豊富な製品ラインナップ

    豊富な製品ラインナップから、お客様のご要望に合わせた最適な製品をご提案します。

    採用実績数
    550種以上

    一般用 : 400種以上
    ベアリング用 : 150種以上

    年間納品数
    4億個以上/年間
    製作可能サイズ
    内径φ3.5mm~外形φ165mm
    材質・板厚
    ばね用鋼
     : 板厚 0.151.4mm
    ステンレス鋼
     : 板厚 0.061.2mm
    バリエーション

    様々な形状も提案いたします。

  4. カスタム品の設計・試作対応

    お客様のご要望に合わせ、オチアイ独自の設計手法や今までの実績データを基に迅速かつ精度の高い設計提案、試作対応を行います。

    カスタム製品
    歯車のマーク カスタム対応

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ウェーブワッシャー 一般用/ベアリング用

基本情報

各種寸法

ウェーブワッシャーの寸法は、単純な部品の大きさではなく、圧縮ばねとしての性能に大きな影響を与えます。

寸法図
内径 製品内径。内径干渉物より大きい値になります。
内径はたわませると寸法が大きくなります
外径 製品外径。外径干渉物より小さい値になります。
外径はたわませると寸法が大きくなります
リム幅 太い : 荷重が大きくなります。
細い : 荷重が小さくなります。
自由高さ 製品の全高となり、すべての山が同じ高さになった時の寸法です。
板厚 厚い : 荷重が大きくなります。
薄い : 荷重が小さくなります。
波数 基本の波数は3山です。
2山、4山以上の対応も可能です。
荷重特性

ウェーブワッシャーの荷重特性は、一般的なコイルばねと異なり曲線となるため、使用する領域により注意が必要となります。(荷重特性イメージ参照)
ただし、各領域が明確に現れない製品もあります。

荷重特性イメージ
荷重特性イメージ
A領域(初期領域)
自由高さのばらつきの影響を受けやすいため、荷重のばらつきが大きくなる傾向があります。
B領域(安定領域)
自由高さのばらつきの影響を受けにくいため、荷重のばらつきはA領域よりも小さくなる傾向があります。また、使用するセット高さの幅を広くとることができます。
C領域(立上り領域)
板厚付近(全圧縮付近)のため、荷重が急激に上昇する領域です。そのため、他の領域よりも高い荷重となり、荷重の変化も大きくなる傾向にあります。

荷重計算・応力計算

寸法図
寸法図
寸法図
P 荷重(N)
S 応力(N/mm2
D 外径(mm)
d 内径(mm)
Dm 平均直径(mm) 〔=(D+d)/2〕
b リム幅(mm)  〔=(D-d)/2〕
t 板厚(mm)
N 波数
δ たわみ量(mm)
E 縦弾性係数(N/mm2
π 円周率
主な材料の縦弾性係数(E)
材料 縦弾性係数(N/mm2
ばね用鋼 206000
ばね用ステンレス鋼 181000
注意(荷重特性イメージ 参照)
荷重特性イメージ
荷重特性イメージ

上記計算式では塑性変形を考慮することができず、圧縮と荷重の関係は直線となります。
実際の荷重は塑性変形の影響により曲線となります。

  • 計算値とご使用の荷重値が異なる場合は、当社へお問い合わせください。
  • 計算で算出した数値については、試作を行い、検証確認を行うことを推奨いたします。

へたり防止

ウェーブワッシャーを1~3に示す条件下で使用する際、へたりの影響により初期の自由高さに比べ、高さが低くなり、荷重が変化します。(図1参照)
ウェーブワッシャーを使用する前にセッチングを行うことで、このへたりを取り除くことが可能です。(図2参照)

  1. 繰返し荷重が負荷される場合
  2. クリープ状態下で使用する場合
  3. ウェーブワッシャーを組込む際に圧縮されてしまう場合
図1
図1
図2
図2

組合わせ

ウェーブワッシャーを組合わせることにより、荷重とたわみを変えることができます。(図3参照)
ただし、直列重ねのみ平ワッシャーと組合わせる必要があります。

  1. 1枚時と同じたわみ量で荷重を大きくしたい場合は、並列に組合わせてください。
  2. 1枚時と同じ荷重でたわみを大きくしたい場合は、直列に組合わせてください。
  3. たわみ量と荷重を大きくしたい場合は、並列と直列を併用して組合わせください。
図3
図3

設計・使用時の注意点

設計時の参考
荷重を大きく変化させたい場合
板厚・波数を調整してください。荷重は板厚の調整では3乗、波数の調整では4乗に比例します。
(ただし、波数を多くするとへたりやすくなるため、基本3山でお考えください。)
荷重を小さく変化させたい場合
内外径(リム幅)、たわみ量を調整してください。荷重はリム幅に比例します。
注意点

たわみと荷重の計算式について計算値と実測値には差が生じます。
これは、計算式では外内径等諸条件を代入すると、たわみと荷重の一次方程式となり、グラフに示すと直線になります。
これに対し実際の荷重曲線は単純な直線になることはなく、曲線となるためです。